300Bシングルアンプの難しさ、その4

アンプを作ると、すぐに周波数特性などを測定する方がいらっしゃいます。

実は、周波数特性と聴感特性は違うのです。

勿論、聴覚神経は人それぞれですから、すべての人々に共通な特性は周波数特性の測定結果と言う事が出来ますが、測定結果の良いアンプがすべての人に受け入れられるかと言うと、そうではありません。

 

これはアンプづくりをする皆さんが、経験済みです。

しかし、やはり周波数特性に重点をおき部品を選択します。

私の経験では、入力トランスはあまりコアボリュームの大きいものは音が良くありません。

出力トランスも教科書では低域を伸ばすには、大きい程良いとされています。

タムラのF2007が、まだ1個18000円だった頃、ウエスタンサウンドINCのWE91Bアンプのレプリカ出力トランスは2個で68000円しました。

私は初期の物を入手して、F2007から乗せ換えをしました。

 

タムラのトランスはNHKトーンと言いますか、低域中高域と伸びが良いですが、音を大きくするとやたら低域の量感が強くなり、アンプのチューニングに困ったのを覚えています。

一方、ウエスタンサウンドINCのトランスはタムラよりはるかに小さく、軽いのですが、音量を上げると自然に低域のエネルギーが落ち、音量を下げても低域はもちろん全帯域の音が痩せることなく、しっかり出ます。

 

これはMCカートリッジのインプットトランスでも同じ事が言えるそうです。

いかがですか。

そうした経験のある方は多いと思います。

 

では、今回はここまでで終わりにします。