今さらながら中国製真空管アンプを買ってみた

最近の中国製電子部品は優秀である。

というか、日本では利益の出ない仕事はしない。という事であろう。

 

それが見えない形で日本の技術力を低下させている事に気がついている人は少ないようである。

 

オーディオの世界ではとにかく部品が高くなった。新品が高いのは認めるとしても、もう存在しないメーカーのトランスなど不思議なくらい価格が高い。

 

例えば○ンゴのトランスや○ックスのトランスは異常に価格が上昇している。

これらのトランスは絶縁材にタールのピッチとかニス等が使用されていて、2~30年でショートや断線をする。

トランスというと半永久だと思われるらしいが、とんでもない。

高齢のマニアなら、出力トランスの経年断線不良を多く経験している。

 

話が最初から外れてしまった。

実は先日オークションを見ていたら、中国製の6p1シングルアンプが新品同様で安価であったので、ダメ元で最低開始価格で入札したら落札してしまった。

どうせ改造すればよい。くらいに思っていた。
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数日後に送られてきた物は、ほぼ新品であった。ただ電源を入れてすぐにノイズがでる。

初段管を叩くと止まる。

初段管を外してみると、脚が黒錆状態である。これをカッターで磨くとノイズはピタリと消えた。

早速音出しに入る。

想像以上に音が良い。

6P1という球は日本製でいうと6AQ5であるが、6AQ5のシングルアンプならば過去に製作しているが、3結ならともかくビーム管としての成功例はなかった記憶がある。

ただ、NHKの昔のモニターシステムはタムラのトランスに6AQ5のビーム管仕様で長く使われて来た。

あの独特なNHKトーンはDIATONEのP610スピーカーとの組合せから出来ており、その数十年後NHK放送センターで聴いた進歩した音響機器でも音は変わりはなかった。

 

また話がそれてしまった。

中国製6P1シングルビーム管仕様アンプは、現代でも通用する。

デジタル音源になったから、なおの事活用できる様になったのかもしれない。

それに、どうも出力トランスはすでにオリエントコアなど必要がないのではないか。

中国製トランスはただの圧延鋼板で、高級材質は使用していなであろう。

中国製の安価な真空管アンプは、高価格の日本製真空管アンプに別な角度から迫ってきているような気がする。

 

何度も言って来たが、高度な技術による複雑な音響製品は、消費者としてあまり望んではいない。