まず人気のあるTDA7498Eの高調波歪特性である。
次にtripathのTA2024の高調波歪特性。
参考にWE300Bシングルアンプの高調波歪特性である。
これらはあくまでも参考であり、音質の良し悪しの絶対値ではありません。
しかし、高出力のアンプが低出力での使用にはあまり好ましくないということは明白です。
もちろんスピーカーが小口径で能率が低い場合は、アンプの出力はゆうに10 倍以上は必要ですから、この出力対歪み率の見方は若干変わりますが、それでも低出力ほど歪み率が上がる事には変わりがありません。
くどいようですが、こうしたデータだけが音質を決めている訳ではありません。(特にWE300Bアンプは歪み成分が第2次高調波ですから、むしろ音質向上に貢献しています。)
しかし、私の愛用するJBLのL26での平均的出力1W未満程度での試聴では、明らかに高出力デジタルアンプの音質は好ましくありません。
どうも最近のオーディオシステム開発は技術だけが進歩して、ハイスペック化が進んでいますが、ビンテージオーディオ製品が消えない理由はそこらにありそうです。