LHH500用インプットトランス

前回ブログでLHH500の出力は、内部出力トランス経由のバランス出力XLRコネクターからと記述した。ついでに出力周りをアップしたい。

LHHシリーズで出力トランス内臓はLHH1000,LHH2000そしてLHH500の3機種のみである。

 

LHH500の規格

アナログ出力端子 出力レベル:2V RMS
   出力インピーダンス:100Ω
   適合負荷インピーダンス:10kΩ以上
Balanced出力端子 出力レベル:3V RMS
   出力インピーダンス:100Ω
   適合負荷インピーダンス バランス型:600Ω
   アンバランス型:600Ω~50kΩ

ここでの、Balanced出力端子は出力トランスによって設けられたものである。

以後の新型LHHシリーズは半導体によるバランス出力となっている。

 

LHH500では、音質的に異次元の滑らかな聴きやすい音は、併設されたRCAピンジャックのほうが上をいく。これは圧倒的に2次高調波が多いからである。短時間ではこの方が音が良いと感じるが、長く聴いているうちに若干うるさく感じ始める。

そこで、バランス出力に切り換えたのである。

そしてその接続図が下記である。
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さらに特製のケーブルとキャノンプラグ。(LHH500側は設置中に付き省略)
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そして内部の画像
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パネルは完全自作、筐体は既製品である。
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バックパネル
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45歳未満の人が知らないCDプレーヤー

CDプレーヤーは1990年頃以降を境に大きく変化した。

大まかにいうと、デジタルアンプに例えるとトライパスのICとそれ以外のICの違いであろう。

細かい電子工学は専門書にあるが、要はD/Aコンバーターがマルチビットから1ビット方式に入れ変わったと言う事である。

 

最近、マルチビット方式のCDプレーヤーに人気が集まっている。

超古い物ではmarantzCD34など、SONY DENONYAMAHA、marantz等が新製品を競い合って販売合戦が始まった頃の製品である。

私も1985年8月にCD34を購入しているが、現在も治し直し使用中である。

いろいろな機種を使用したが、時代は無調整な1ビットD/Aコンバーターに急変した。

高域がきれいであるが、低域がさっぱりといった印象の1ビットであるが、各メーカーがマルチビットから手を引き、わずかmarantz   DENONだけがマルチビットにこだわった。そのICがこれである。(marantz)
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しかし、これも終わりを迎え1ビット化に進化していく。
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マルチビットの良さを残し、少しでも高域の高音質化のため、D/Aコンバーターにクラウンマークやダブルクラウンなど現在でも偽物があるほど高価なICである。

私はそちらの方面には向かわず、低域が弱いがきれいな高域が出るphilipsのLHH500に切り換え、内蔵トランス経由で出力した信号をwestern electric製入力トランスで受け、低域の強化を計っているが、もう何十年もこのシステムに変化はない。

marantzのCD96やCD99は入手困難としてもNECのCD10は安価で人気があるが、メカはラジカセと同じSONY製である事が気になる。

 

もし同等の音質を求め、新製品を物色するならば50万円位の出費を覚悟せねばなるまい。

 

philips LHH500トレイベルト(小)交換

ちょうど1年位前に、クランパーベルトの交換をこのブログにアップしている。

今回はもう何年ぶりか、久しぶりにトレイの動きが不安定になり交換する事にした。

なんせ古い機械であるから、もう3度目位かと記憶しているが、これまですべて規模の大掛かりな分解をしている。

 

全面パネルを外し、メカブロックごとダイキャストフレームから取り外す作業である。

これが結構大変な作業であった。

メカブロックごと外し単体になれば、あとは大したことはないが、やってみるとそれなりのリスクがあり緊張する。

 

殆どの作業者は同様の工程を経て修理をすると思われる。

しかし、今回はそのままの状態、つまり左右側板と天板を外しただけで、メカブロックを外さずに挑戦してみた。
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どうも丸い光ったガイドレールとメカフレームの間にピンセットを入れる事により出来そうである。

早速長いベルト(外側)から、ピンセットで外す。障害物がないのですんなり外れた。
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次は短いベルト(内側)を外す。これも意外に上手くいった。

画像は新しい物が取り付いた状態である。
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ベルトはオークションで入手した物である。

このベルトは格子状の模様が入った平板材のゴムを、円形に打ち抜いた簡易製造品であるが、この模様が滑り止め効果がありそうである。

現在LHH500の交換ベルトは、どうもこれしか入手出来ないようである。

ピンセットひとつで出来るので、是非お試しください。

【追記】ベルトの取外しは小径プーリ側にピンセットの先を引っ掛けると取外し易い。

また、新しいベルトをセットする時はあらかじめ大径プーリーにベルトを掛けておき、ピンセットの先で小径プーリーに回し込むようにはめるとうまくいく。

【注】今回、トレイベルトの大きい方は交換していません。伸びていたのはモーター軸にかかる小さい方のベルトだけです。

 

2023.6.28 トレイベルト(大)が捻れて掛かっていました。修整しました。
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2000年前後の歌謡曲はよい。

高齢になると、聴く音楽の主流が変ってくる。

私の場合、20代からしばらくはクラシックやジャズ等、歌のないものが多かった。

もちろん美空ひばり島倉千代子そして都はるみ等を聴いていなかった訳ではない。

テレビやラジオでよく聴かされていた歌しか知らなかったのである。

 

最近、ユーチューブでマイナーな昔の歌謡曲を聴きことが出来る。

当時では耳にすらしない曲がこんなにもあったのかと思うのである。

これもインターネット普及のお陰である。

昔はそうした曲を探す機会がなかったのである。

 

今のお若い方々は恵まれている。

流行のテンポの速い、何を歌っているのか解らないテレビで繰返し流される曲が飽きたら、ユーチューブで大昔のいい歌を聴くことが出来る。

 

もう高齢の歌手の青春時代の歌や画像が、現代今存在しているが如く聴くことが出来るのは極めて感情の浄化に役立つのである。

 

人生は、如何に豊かな感情と経験かにより変わって来るか、改めて思い知る事が出来る。

 

未知の素晴らしい歌謡曲は多くの人々に知られずに存在する。

テレビから流れてくる歌は、繰返し聴かせて販売利益を上げる効果しかないのではあるまいか。

WE300Bシングルアンプのメンテ

もう10年以上、中を開けて来なかったWE300Bシングルアンプであるが、最近音が甘くなった。

それでメンテナンスチェックをしてみた。

まず、ACのコンセント電圧だが数十年前は105Vあったが、今回測定してみると100.1Vとほぼ定格電圧である。
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 (セメント抵抗が空中配線?なんて笑ってはいけない。アルミアングル材と底蓋で挟まれしっかり固定される。)

 

こうなるとWE300Bのフィラメント電圧は105V入力として減圧してあるので、100Vに下るとフィラメント電圧も下がってしまって問題となる。

実は上画像の様に、フィラメント電圧は細かく調整できるようにセメント抵抗がたくさん直列に配置されている。(中央部)

今回は2個分短絡してフィラメント電圧を4.8Vに設定した。

 

ボケていた音がくっきりしたが、音楽によってはボケていた音の方が良い事もありそうである。

 

《2023.5.7》この日のコンセント電源電圧は98Vであった。

震災以来の電源電圧は変動が大きく、雨天ともなれば近隣の家庭用ソーラーパネルの出力も落ち、信頼性がない。

殆どの家電製品は定電圧回路があるので問題がないが、直熱真空管アンプはやはりフィラメント電圧に定電圧回路を入れないと、当分の間電源電圧変動は大きいと思慮される。

 

何があったのか、早くも転売のWE300A

つい先日160万円の高値で落札されたWE300Aが、もうオークションに出品されている。
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現在進行形の出品である。

即決価格は180万円と20万円ほど値上げである。

WE300AやWE300Bアンプが、真空管本体だけで特別高度な音がするという訳ではないのである。

前回のブログにも記述したが、各使用パーツ、音源、スピーカーなど取りまく環境で真価が発揮する。

オークションは終了時刻が夜の事が多く、夢を膨らませ気が大きくなり、興奮するともう見境がなくなってしまう。

そう言う意味では競争心を排し、あらかじめ入札限度額を決めておく必要がある。

 

私は過去に○○カリでタンゴのパーマロイインプットトランスを送料手数料込みで3万円で売りに出したら、即時数秒で売れてしまった。

その後が問題である。買い主が即時今度はオークションに出品して5日後には送料別81000円で落札された。(大損した気分)

探しても容易に手に入らないと思うと、どうしても手に入れようと見境がなくなる。

 

オーディオ環境はパーツひとつですべてが決まるものではない。

パーツの選択には長期間の多くの比較検討で最終到達点に行きつくものである。

 

300Bもwestern electricならアンプ本体として最高と言う訳ではない。

確かに寿命では抜群であるが、他にも音の良いアンプはたくさんある。

WE300Aが2本で何と160万円

これはつい先日オークションで落札された物
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WE300Bの初期のWE300Aである。

昔はよく偽物騒ぎがあったが、よく見ると本物のようである。

開発が1930年であるから、90年ほど経っている。

当時は勿論モノーラルの時代であったから、2本揃うことはそれだけでも珍しい。

 

購入して、それと近似した現代版300Bを探してみたいくらいである。

WE300Bは新品より寿命に近いものの方が音が良いとは、その道の先輩達がよく言っていた。

多くの種類の300Bの鳴き比べはあまり意味がない。

しかし、現在販売中のWE300Bが

このWE300Aと音質が少しでも似ていれば、今頃完売で販売は終了しているであろう。

その発言者は多分現れない。