歌手の野口五郎氏のアナログに対するこだわりの見解が、私とはちょっと違う。
「長文の要旨は、聴こえない音もカットしてはいけない」と言う事だが、反論として
20Hz~20KHzの範囲外の音は人間の耳には感知出来ない。以前のブログでも記したが、「身体が感知する」という説は合理的ではない。
問題は20Hz~20KHzの範囲内の再生の仕方にある。
もし低域が5Hzまで伸びていたら、再生機器や聴覚神経に問題が出るはずである。
聴こえもしない超音波が出ていても同様である。
一般的に100Hz以下の音の音圧レベル平坦性は維持しにくい。また超低域と高高域をいたずらに延長すれば、相対的に中音域がおろそかになる。
聴感は相対的であるから、全音帯域を同時に聴く事も出来ないのである。
音楽は断片的に神経を各自その時どきに周波数域を変化させて、聴いているのである。
話しを戻そう。
音響で一番重要な音域は、言うまでもなく中音域である。中音域の再生は最も再生が難しいのである。
中音域をおろそかにすると、必ず低域や超高域に聴感がもっていかれ、おかしな理屈が出来上がってくるのである。
実は中音域が、聴こえない音域を想像するのである。
そして、その中音域の再生が難しい事に気がつけば、再生範囲は20Hz~20kHzで十分なはずである。
さらにつけ加えるならばデジタルとアナログの違いは、また別問題である。