スピーカーシステムの周波数特性等を測定する基準となる部屋を無響室と言いますが、反射や騒音がまったくありません。
「静寂」を通りこし自分の実在感も聴覚的になくなります。実際に入った事がありますが、精神的不安定感すらあります。
多分、「静寂」の極限状態だと思います。
最近、ハイレゾ等の表現に静寂感が存在すると言った表現があります。
しかし、静寂感はいったい何Hzと問われ、答えられる人は多分いません。
静寂感は、耳の良い若者がはっきりと耳に聴こえる範囲で、高域は15kHz~20Khzまでの可聴音域に存在すると思われます。
そしてそれは聴感上の周波数特性とは関係がないと、私は思っています。
残留ノイズの多い部屋ではいくらハイレゾでも、静寂感は存在しません。
逆に無響室の中で音を聴き、無音になればかなりの静寂感があるはずです。
最近、周波数特性の高域側特性の拡大した音響特性を、静寂感があるとか、静まり返ったホールの再現性があるとか、そう評価する「専門家」がいますが、他に評価する事がないのかもしれません。
以前のブログでも書いた記憶がありますが、静寂感は信号がある状態と、ない状態との差が大きい時に周波数に関係なく現れます。
つまりダイナミックレンジの大きさにより、表現する事が出来ます。
簡単に言うと、十分に歪みなく大出力で音楽を聴いていて、無音になれば静寂感を堪能出来ますが、それは音楽ではなく効果音です。