TANNOY HPDについて、その7

3)ホーンの錆取り

コーンアッセンブリーが完成したところで、ツイーターホーンの点検をします。

HPDは45年程前の製品ですから、鉄材のホーンが錆一つ無いというのは、稀です。

白サビ程度ならば簡単に補修が出来ますが、錆色に錆びた状態は、面積によっては相当苦労します。

錆は結露によって発生します。

冬寒い部屋に急に暖房を入れますと、ダストカバーを通して鉄材ホーンの表面に細かい結露が生じます。

イギリス本土では湿気も日本程ではなく、部屋も広いのか、薄いメッキでも大丈夫なのでしょう。HPDは日本製のユニット類よりはるかに、お粗末なメッキです。

 

中古品で入手されますと、すでに補修済が多く、この項目はスキップしましょう。

 

白サビ程度なら、サンドペーパーで軽く擦りきれいに布で拭き取るだけで十分です。

その後から、油性のシルバーカラーの塗料を薄めて軽く塗布します。

あまり濃い塗料を厚く塗ると逆効果で、剥離しますから要注意です。

 

白サビ、赤錆共に、ペーパーがけの際はボイスコイルのギャップにセロテープ等を貼り、ゴミが入らない様に注意しましょう。

 

その他、程度の悪化した物はツイーターのダイアフラムまで及ぶ事がありますが、ここから先の分解はあまりお薦め出来ませんので、今回はここで終わりとします。