300Bシングルアンプの難しさ、その5

小間切れブログで、申し訳ありません。

思い出すままスマホでアップしています。

 

次に気がついたのは、電源のフィルター回路です。

現代の300Bシングルアンプの電源回路は、殆ど大昔の原器からかけ離れています。

 

測定器を使って残留ノイズをmV単位で測る時代ではなく、ましてやスピーカーに耳をあてウ~ンという音が気になる距離で聴いてもいない時代です。

 

そんな時代では、電源のフィルター回路はそんなに神経質に考える必要もありませんでした。スピーカーは大口径で聴感上十分な低音域とは言え、現代のスピーカーの帯域とは比較にならず、能率も良かったのです。

ましてや、300BのフィラメントはAC点火の時代です。

 

まあ、現代のスピーカーで300Bシングルアンプを使うには、WE91Bアンプの回路にこだわっていては実用性がありません。

 

ご存知の通り整流管は、直熱管は勿論、傍熱管にもコンデンサーインプットの場合、容量の最高値が決まっています。

これを無視すれば、整流管の寿命は極端に落ちます。

直熱管はだいたい10μF以下(WE91Bは20μF)、傍熱管でも50μF位です。

こうした条件で良質な電源を確保するには、フィラメントのDC点火を含め、半導体整流がどちらかと言うと良いと思います。

もちろん、真空管整流でも出来ない事はありませんが、整流管の寿命は極めて短くなります。

 

具体的には次回にいたします。