300Bシングルアンプは、単純だが難しい

 

中国製の300Bアンプのレビューの書き込みである。

失礼ながら、「こんな事にならない様に、ひと言、申し上げたい。

 

 

まず、以下はそのレビュー内容。

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上位レビュー、対象国: 日本
5つ星のうち5.0Amazonで購入
安いので腕自慢は購入を。2019年4月4日に日本でレビュー済み
先ずは、音質はとてもよいです。
3カ月使用後、ハムバランサー用の100V47uFコンデンサーが液漏れ白煙を上げる。
故障したのは300B真空管の絶縁不良で、当該コンデンサーに400Vが印加された模様。
この際、ハムバランサの1kΩ30wの抵抗の異常発熱で半田が溶融し当該抵抗器が落下。
これらの部品は故障時の耐性がなく、真空管故障で芋づる式に故障するなど
安全性に問題ある。またハムバランサ前段は通常ボリュームでヒーター端子からパラ取りするのだが33オーム固定抵抗2本でパラ取りしているのでハムバランス調整ができない。尚この33Ωの抵抗も焦げていた。
使用する真空管によっては、ハム音が耳障りになる。
VUメーターはスピーカー出力をそのままブリッジ回路でDCにしてメーターへ繋いでいるので、ダイオードの順方向電圧を超えられず視聴音量ではピクリとも動かない。
上述の件は不良というわけではなく、そういう設計なので安価で購入できる訳だから、問題は自分で改良するしかない。
高額な真空管に差し替える前に、新品のアンプではあるが、以下の改良を施す。
第一に、
真空管が故障してもダメージが広がらないように、
47uF100Vコンデンサー→同容量 400V品に交換
1kΩ30w抵抗→同抵抗値100w品に交換
33Ω抵抗→100Ω5wボリュームに変更
第二に、
VUメーターを使えるように対数アンプ追加
対数アンプ用電源追加
対数アンプの入力はRCAセレクタの後段から配線
対数アンプの出力をVUメーターへ直結、VUメーターの周囲部品とりはずし。
第三に
カップリングコンデンサーはビタミンQオイルコンデンサーに交換耐圧は600V。
ハム対策で300bのヒーター電源の平滑コンデンサーに10000追加
占めて3000円なり。
第四に、
真空管はプリ管 JJ ECC803
ドライバー管 GOLDLION 6V6
パワー管 GOLDLIOON 300B
整流管 SVTLANA 5C3S
としたので、安全性、音質は文句ない状態となった。
追伸。。。b電源がコンセント抜いて3日経っても300V位あるので改良時とても危険。
取り敢えず100kΩのディスチャージ抵抗を追加したが、音質に影響してそうなので近々1MΩ品に交換予定。
電源投入直後は整流管の動作不安定に伴い残留電圧が積算された電圧になることがある。電源オンオフを短時間に繰り返すとb電源が800Vを超えるのを目撃した。ディスチャージ抵抗が必須なことと、頻繁な電源オンオフはアンプ全体にダメージを与える。
ディスチャージ抵抗を追加することで5分待てばオンできるようになった。

 

【私の意見】

300Bが手っ取り早く自作出来る時代になり、昔とは違い初心者でも、いきなり手をかける。

300Bシングルアンプは単純な回路でも作動するし、単純であるからゆえ内部の配線を整然ときれいに配線し、見えない内部をご披露なさる輩もいる。

アンプを何十台と作ってきたが、300Bシングルアンプが、一番難題であった。

上記のレビューのアンプは、真空管を守る安全対策に、配慮が欠けている。

直熱管である300Bは信号回路より、電源回路の設計が極めて難しく、一つでも起こりうる現象を見落とせば、「これが原因だ!」との感違いをしてしまい、別な原因対策をしてしまう。

まあ、アンプ造りはそうした失敗の積み重ねである。

 

具体例は次の機会にする事に。